セルロース系物質の熱分解液中のレボグルコサン

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三浦正勝/ 加我晴生/ 西崎寛樹
1985年3月 北海道工業開発試験所報告 35,30-36

 セルロース系物質を減圧下で熱分解し,得たタール中のレボグルコサンの分析を原料別に行うとともに,このタールを加水分解しグルコースへの転化実験を行った。 標準物質のレボグルコサンは化学合成し,その分析は薄層クロマトグラフィー法(TLC),赤外線分光光度法(IR),およびガスクロマトグラフィー法(GC)で行った。
 レボグルコサンの収量は木材で原料当り約2wt%,濾紙やガーゼなどは約22wt%であった。 硫酸による加水分解後のD-グルコース収量はレボグルコサンの1.6〜2.6倍多い値を示した。 このことから,セルロース物質の熱分解液中にレボグルコサン以外の糖無水物の存在が予測された。