木材熱分解の基礎的研究 熱分解液中の水分の粗分離方法
三浦正勝/ 西崎寛樹/ 加我晴生
1985年3月 北海道工業開発試験所報告 35,24-29
木炭は長期間の保存が可能である。
今日では化石燃料の危機が問題となっており,従って,廃木材などを木炭として保存することは地域的なエネルギーの備蓄対策の一つとも考えられる。
木炭の製造において副生産される乾留液中には有機化学成分と多くの水が含まれている。
我々は木材の炭化と同時に生成する乾留液中の水分の分離方法を考え,水分分離について実験的検討を行った。
我々は,乾留ガスの回収工程にあらかじめ温度勾配をつけ,その部分に凝縮液の抜出ロを6カ所設け,この筒所で得た乾留液の物性値と水分濃度を測定し,水の分離効果を調べた。
その結果,5〜200℃の各温度で制御した抜出ロから得られた乾留液は密度,粘度,有機物濃度がそれぞれ異なり,この方法により,木材の炭化と同時に乾留液中の水分を容易に粗分離できることを明らかにした。