内外液化用原料炭の基礎性状(I)-工業分析法に関する一考察-

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吉田諒一/ 宮沢誠/ 成田英夫/ 前河涌典
1984年10月 燃料協会誌 63(10),871-876

 低石炭化度炭の工業分析,元素分析については,斉藤らが瀝青炭を対象とした現行のJIS法とは異なる低石炭化度炭を対象とした元素分析法,工業分析法を検討しており,またAttwoodらはビクトリア褐炭の揮発分測定の際に400℃で7分間さらに900℃で7分間加熱処理する二段加熱法を提案している。 また現行のJIS M 8812(石炭類およびコークス類の工業分析方法)においても低石炭化度炭の水分測定については改訂が予定され,ISOにおいても褐炭類に適用する揮発分定量方法の規格を現在審議中である。
 一方,OttawayおよびElderは測定の迅速化,操作の単純化および試料の微量化を目的として熱天秤による工業分析を試みている。
 OttawayおよびElderの方法は測定の迅速化,操作の簡便さを目的として試みられたものであるが,本研究は現行のJIS M 8812に基づく工業分析法に対応した分析法としての熱天秤による工業分析の実用性,および予備操作を必要とする褐炭はもとより瀝青炭(の一部)までの広範囲の石炭のエ業分析に対する適用性などについて検討したものである。