接触分解によるポリオレフィン系プラスチック廃棄物の油化技術

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斎藤喜代志
1984年8月 工業技術 25(8),54-58

 ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系プラスチックはポリマーの総生産量の約37.0%を占めており,廃棄量も多いと推定されている。 ポリオレフィン系プラスチック廃棄物の無公害処理と処理費用の節減を考慮すると,熱分解による再資源化が効果的であり,ガス化,油化の方法があげられるが,比較的低温下で熱分解する油化法が有利と思われる。
 従来のポリオレフィン系プラスチック廃棄物の熱分解技術では多量のカーボンの生成や常温でワックス状の油しか得られず,処理技術に未確立の部分が多く,現在稼動しているものはほとんどない。
 われわれの研究室では,民間と共同でポリエチレン廃棄物を安価な加工・処理をほどこした天然ゼオライト触媒を用いて2段階で熱分解させ,常温で液状の軽質な炭化水素油を得る技術の開発を行ったのでその概要を紹介する。