地域技術としてのバイオマス利用

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松山英俊
1984年11月 北海道通産情報 39(11),48-49

 バイオマス資源は,自然の生態系を通じて太陽エネルギーが固定化されたものであり,石油及び石炭などの化石エネルギーに比べ地球上の広い範囲に分布していますが,その反面エネルギーのレベルが低く,かつ大規模集中的な利用が難しいという特性があります。 従って,地域に特有のバイオマス資源を用いて,化石エネルギーを補完すると考えるのが現実的であります。
 バイオマス資源を利用しやすい燃料形態へ転換する技術としては,セルロース系資源から糖化・発酵によるエタノール生産,生物系廃棄物からメタン発酵によるメタンガス生産,炭化水素を多く含む植物(例えばオーストラリアのユーカリ)から溶媒抽出による各種炭化水素生産,水の光化学的・光生物的分解による水素の生産などが考えられています。 ここでは,地域技術として最も重要な技術の一つと思われるメタン発酵法について,少し述べてみたいと思います。