羽幌産ベントナイトの開発利用技術に関する研究

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佐藤俊夫/ 後藤藤太郎/ 山口義明/ 関口逸馬/ 植田芳信/ 藤垣省吾
1984年3月 北海道工業開発試験所報告 33,1-50

 北海道開発庁は,特定鉱床開発促進調査の事業を実施している。 この調査の目的は,北海道内の未開発の地下資源を精査し,これを鉱業振興に役立てると同時に,地城開発の促進に貢献しようというものである。 そしてこの事業の一環として昭和55年度から57年度の3ヶ年計画で羽幌地域のベントナイト鉱床を調査した。 この開始年度の前年,昭和54年4月に,北海道開発庁は,当所に対してこのベントナイト鉱床の調査を分担するよう要請した。 その分担内容はベントナイトの性状分析と回収利用にかかわる試験研究であった。 この要請を受けて,昭和55年度の経常研究課題としてこのテーマを取り上げ,文献および資料の調査を行なう一方,現地調査を行い,試験用試料を採取した。 採取した試料は試験の結果,良質で高品位のベントナイトであることが判り,得られた情報と性状試験の結果を検討し,昭和56年度より3ヶ年計画の特別研究を申請し,この実施が決定した。 以上のような経緯で決定した特別研究の課題名は「羽幌産ベントナイトの開発利用技術に関する研究」であり,これを3ヶ年計画で実施することにした。 その研究の要点は,羽幌産ベントナイトの鉱物組成及びその物理的諸性状と鉱床との関連を明らかにする一方で,それがどのような用途向けになるかについても合わせて検討することである。 また,乾式選鉱法の場合の乾燥条件と品質の関係,異物の除去法と品質の関係,湿式選鉱法の場合のその選鉱条件と品質の関係などについても検討する。 現在ベントナイトの価格は,通常の用途向けのもので屯2〜3万円であるが,本研究では,さらに付加価値の高い高純度ベントナイトの回収を目的とした試験研究も合わせて実施する計画で,以上の試験研究の結果と,鉱床調査をふまえて,ベントナイト鉱床開発の規模とその用途,及び企業化の条件を検討し,地域開発の促進に貢献しようというものであった。