石炭の流動燃焼に関する研究
-第5章 流動燃焼装置の設計法-

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富田稔/ 平間利昌/ 安達富雄/ 山口弘
1984年2月 北海道工業開発試験所報告 32,68-84

 石炭の流動燃焼をモデル化するには,装置内で起きているガスと粒子の流れ,石炭の脱揮発分,粒子の飛び出しと摩耗,流動層内とフリーボードにおける燃焼などの物理的,化学的変化を表現することが必要である。 しかし,これら全ての現象の変化を盛りこんだ一般化モデルは非常に複雑になり,実用的ではない。 そこで,モデルの適切な簡素化を行い,使用目的に適した機能を持った実用化モデルの開発が必要である。
 最近,石炭の流動燃焼のモデルが,数多く発表されており,OlofssonとParkらによれば,これらのモデルは,それぞれ特長と欠点を持っており,その使用に際しては,使用目的に適合した機能のモデルを選択する必要がある。 これらの事柄から,現状では,石炭の流動燃焼のモデル化の研究は発展段階にあるものと思われる。
 本節では,石炭灰を流動化粒子とした石炭の常圧流動燃焼のモデルを開発し,そのモデルによって燃焼効率に及ぼす諸因子の効果を検討した結果を報告する。 開発したモデルは,灰分の多い低品位炭などのように,燃焼によって燃焼の粒径があまり変らず,燃焼灰が流動層を形成する場合に適用できるものである。