濃縮槽内の粒子挙動と操作-干渉沈降速度と流れ特性-

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関口逸馬/ 高森隆勝
1983年9月 日本鉱業会誌 1147,863-865

 選炭工場では沈殿槽,シックナなどの沈降濃縮槽が多く使用されているが,これらのおもな使用目的は清澄と濃縮である。 これらの装置は歩留りの時間的変動の大きいことに示されるように供給の量的,質的変動は避けられず,この対策には操業条件の変更によって対応せざるを得ない。 しかし精度よく行なわれていないのが現況である。 とくにスラッジ層の厚さの増加は溢流水を濁らせる結果をもたらすものであり,その濁りは目的鉱物の回収向上の面から避けなければならない。 したがってシックナなどの操業にとって濃縮層の挙動は重要な要点となるものであるが,これの十分な解明がなされるまでには至っていない。
 このことを困難にしている大きな要因の一つは干渉沈降領域における粒子の沈降挙動が明らかでないことである。 シックナなどにおいては粒子が濃度変化のある中を沈降するので,粒子相互間の干渉とか見掛け粘度が増加する結果,粒子群の沈降速度は周囲の濃度の増加とともに減少する。 この領域での沈降速度を推定し得れば操業管理上合理的な対策をなし得ることになる。 しかし現在のところ干渉沈降領域における粒子群の沈降速度を操業管理に耐え得るだけの精度をもって求めることはできない。 他の一つの要因は,槽内の流体の動特性が十分に解明されていないことである。 粒子の沈降と連続流によって槽内に対流とか混合といった流体の乱れが生じ,これが粒子群の沈降を妨げることになる。
 以上のことから沈降濃縮槽の性能は粒子の性状と装置仕様上ならびに操作条件によって複雑に変化するので,定量的な取扱いは極めて難しい問題であり,現在のところ合理的な操業管理に使えるまでの解析を行なっている例は少ない。
 本報告では上述した二つの問題について解析し,沈降濃縮槽内の粒子挙動を解明した。 そしてこれらの結果と操業との関わりを考え,合理的な管理を行なうについての一考察を行なった。