干渉沈降領域における懸濁粒子の沈降挙動(第4報)

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関口逸馬/ 山口義明/ 井上外志雄/ 高森隆勝
1983年1月 日本鉱業会誌 1139,31-36

 前報まで干渉沈降領域における固体粒子の沈降挙動を明らかにするため,粒子性状の異なる11種の試料を用いて,1〜15vol.%の懸濁濃度範囲で実験した結果について報告した。 これらの結果を要約すると,いずれの試料についても懸濁濃度の増加とともに粒子の沈降は遅くなり,あたかも粒度が外見上細かくなったと考えられることから,干渉作用の程度を見掛けの粒度構成の変化でとらえ,それを懸濁濃度との関係において考察した。
 さらに粒子群の干渉沈降速度は沈降する粒子の濃度による影響因子を考え,沈降する粒子群に作用する抵抗力と,これに対応する重力とのつり合いから,平均干渉沈降速度式が求められた。
 本報告は以上の結果がより高濃度懸濁液の沈降粒子にも適用できるか,また凝集剤の添加などによる強度の凝集性懸濁液の沈降についてはどうか,などの点について実験し,考察した結果について述べる。 そして懸濁液のレオロジー的な考察によって,前述の沈降式の適応領域について考察するとともに,実験値と文献値との比較検討を行なった。