水素加圧下における配合炭ペーストの温度-粘度変化
中田善徳/ 上田成/ 前河涌典/ 酒井直秀/ 松本正文
1983年10月 燃料協会誌 62(10),847-850
石炭の直接液化の原料として用いられる石炭を,粘結炭と非粘結炭に大まかに分けて考えて見ると,粘結性の瀝青炭は媒体油と混合し,石炭ペーストにした場合最高約9,000C.P.と高い粘性を示している。
またこのために予熱器内のコーキングトラブルなどもしばしば報告されており,このため安全な操業のために石炭濃度を低く抑える傾向がある。
一方,亜瀝青炭,褐炭ではその石炭スラリーが加熱時での高粘性がみられないために容易に40wt%スラリーの予熱や圧入が実現されている。
将来石炭液化が工業化された際には,その立地上の問題から2種以上の原料炭が混炭されて原料にされることが推測されるが,本報告は石炭スラリーの加熱時の粘性すなわち圧入予熱などの操作性の面から混炭の影響を考察したものである。