石炭の流動燃焼における粒径分布の影響

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平間利昌/ 細田英雄/ 西崎寛樹/ 千葉忠俊
1983年1月 化学工学論文集 9,64-71

 供給する石炭の粒径分布が燃焼特性に及ぼす影響を検討する目的で,1辺が0.25mの正方形断面でフリーボード高さが3mの装置により流動燃焼実駿を行った.
 微粉炭の含率が増加すると飛び出しによる未燃炭素損失は増加するが,層表面から溢流方式で排出される未燃炭素損失は減少するので,燃焼効率に対する炭粒径分布の影響は小さかった. 一方,層内燃焼率は炭粒径分布によって変化した. 9.5〜25mmの炭粒では層内での分級,2mm以下の炭粒では飛び出しによりいずれも層内燃焼率が低くなり,フリーボード部での燃焼がより進んだ. これらの炭粒の2段燃焼によるNOx発生量は25mm以下のような広い粒径分布をもった炭粒の場合よりも明らかに多かった.
 粗粒炭の層内での分級と未然の微粉炭の飛び出しは,NOx発生量の増加と層内燃焼率の低下をもたらすので,これらを抑えるためには広い粒径分布をもった炭粒を使用することが望ましい.