都市ゴミの資源エネルギー化の研究
-都市ゴミの熱分解油化法(その1)-
細田英雄/ 新川一彦/ 平間利昌
1983年10月 北海道通産情報 38(10),42-43
我々が日常捨てている,いわゆる都市ゴミは各地方自治体で処理に悩まされている廃棄物であるが,見方を変えれば有効かつ貴重な資源の一つである。
1人1日当りの平均値で1kg以上廃棄される都市ゴミの中には,石油の塊といわれるプラスチック類また紙,金属類などが含まれているが,これらは再資源化が望まれる貴重な物質である。
また,エネルギーの面でも都市ゴミは1kg当り約1,500kcal以上の発熱量を持っており,大都市になるほど発熱量が高いといわれている。
このような都市ゴミを有効に利用し,国全体として省資源・省エネルギー化を図ることを目的として,工業技術院では昭和48年度から57年度までの10年間にわたって大型工業技術研究開発制度(大型プロジェクト)のもとで資源再生利用技術システム,すなわち都市ゴミ再利用技術の研究開発を行ってきた。
当所もこのプロジェクトに参画し,特に都市ゴミの熱分解による資源・エネルギー化の研究を行ってきたので,その成果の一部を数回にわたって紹介する。