オゾンの細胞および細胞構成物に及ぼす影響

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神力就子
1983年3月 北海道工業開発試験所報告 31,15-22

 最近,オゾンが水の殺菌剤として注目される一方,大気汚染の主役の一つとも考えられるようになり,動植物組織や細胞などへのオゾンの影響に関する報告がふえてきている。 オゾンは,強い酸化力を有しているため,大気汚染源となれば動植物に有害であることは言うまでもないが,有害物質の分解に使用するとなると逆にきわめて効率の良い分解剤になる。 そこで最近,上水,下水の最終行程における殺菌剤としてオゾンの使用が検討されるようになってきている。 筆者の研究室では,オゾンによるバイオハザード防御方法の検討を行っているが,この場合細胞やその中の核酸のオゾンによる効率的な殺菌・破壊法を見出すとともに,二次的な生物的危険性の発生の有無の検討も必要となる。 そこで,オゾンの生体及びその構成物との反応性に関する研究の現状を知る目的で文献調査を行った。
 オゾンの突然変異性はFetner,Davisらによって始めて報告されたが,以来,オゾンの動植物組織,細胞等への影響の研究は多数行われてきた。 本稿ではその中の「細胞や細胞構成物に及ぼす影響」にしぼって,吸入曝露(in vivo)と試験管内曝露(in vitro)に大別して研究の流れを述べることにする。