寒冷地における工場廃水の高度処理に関する研究
[水溶液中における有害有機化合物のオゾン処理]

問合わせ ひとつ戻る DB入口へ トップページへ PDF(イメージ)を見る

石崎紘三/ Dobbs,R.A./ Cohen,J.M.
1983年3月 北海道工業開発試験所報告 29,82-91

 オゾン処理法が産業排水や都市下水処理へ広く使用されるようになるためには,オゾンの水中における化学反応についてより広汎な知見を得る必要がある。 オゾンに対する高い関心にもかかわらず,水中におけるオゾンと有機化合物の反応性に関するデータは,いまだ非常に乏しいといえる。 これまでに研究されている有機物質は,フェノール,ABS,アミノ酸とタンパク質,乳酸,アルコール,ポリエチレングリコール,農薬,写真現像排水中の有機化合物などである。
 本研究においては11種類の有機化合物を選んで,そのオゾン反応性を検討した。 これらの化合物の多くは,EPA(アメリカ環境保護庁)のList of Priority Pollutantsに入っているものであり,有害性が強く,また発がん性物質とされているものもある。 また,できるだけ化学構造的に多岐にわたるように選択した。 本研究は,水中の有害物質のオゾン処理といった観点から,上記の化合物を代表例としてそのオゾン処理特性を把握し,またその化学反応についての知見を得ることを目的とした。