寒冷地における工場廃水の高度処理に関する研究
[低温化で活性の高い脱窒菌の分解と特性]

問合わせ ひとつ戻る DB入口へ トップページへ PDF(イメージ)を見る

松山英俊/ 石崎紘三
1983年3月 北海道工業開発試験所報告 29,68-76

 廃水の窒素除去技術としての生物学的脱窒法は,従属栄養菌(BOD酸化菌)により有機態窒素から生産されたアンモニアを,硝化菌が好気的に亜硝酸さらに硝酸まで酸化する硝化過程と,脱窒菌が嫌気的に硝酸または亜硝酸から窒素ガスまで還元する脱窒過程から成っている。
 著者らは,寒冷地における冬期の生物学的脱窒法を,より効率よく行うことを目的として研究を開始した。 低温で効率よく脱窒を行うためには,装置の改良,菌体濃度の増加など工学的見地からの工夫も考えられるが,また,生物学的見地から,低温下でも活性の高い脱窒菌を探索して,その菌を用いた脱窒を工夫することも有望な方法と考えられる。
 我々は,5℃で活性を示す脱窒菌の分離,同定を行い,その菌を用いて,低温下における脱窒菌の基礎的なデータを得るために環境因子の影響,亜硝酸態窒素の影響と温度との関係等について検討した。