寒冷地における工場廃水の高度処理に関する研究
[吸着剤を用いた微生物脱窒処理]
先崎哲夫
1983年3月 北海道工業開発試験所報告 29,24-29
近年,工場排水処理水などの河川への放流水量がいちじるしく増大し,従来の下水,排水処理のように,放流先での「希釈効果」を期待することは,公共水域,特に,閉鎖性水域の汚濁防止と富栄養化防止の観点から困難になってきた。
一方,水資源の有効利用法の一つとして,下水,排水の再利用が注目されている。
しかし,未解決の問題が数多く残されており,現在のところ特定の用途以外には利用されていない。
下水,排水の再利用における障害の一つは,窒素化合物の存在であり,その除去法の確立が重要な課題として残されている。
本研究においては、脱窒素処理法として,微生物処理とゼオライトによるアンモニアの吸着除去法とを組み合わせ,低温度の下に操作可能な窒素除去法の開発を試みた。