有機系水溶液の発熱量測定
三浦正勝/ 西崎寛樹
1982年11月 燃料協会誌 61(11),1031-1034
本報告では,水分が多く自燃は困難であるが重油などと混焼が可能な有機系水容液の発熱量測定法について,ボンブ熱量計を使用して実験的検討を行った。
難燃物質の発熱量測定には助燃剤の添加が必要とされ,その量は誤差を極力少なくするため少ない方が望ましく,流動パラフィンで0.1g以内,安息香酸では0.2g以内,ゼラチンカプセルでは0.1g前後が適当とされている。
本実験では,ゼラチンカプセルを助燃剤とした時,さらに他の助燃剤を添加した時の標準試料の発熱量を実測し,文献値から求めた理論値と比較して助燃剤の効果を検討した。
また,植物の炭化によって得た水分50%以上のセルロース系油の発熱量を測定し,水分の影響と助燃剤を添加して測定することの必要性を検討した。