北開試の石炭利用技術
-石炭からガスを作る-
河端淳一
1982年11月 北海道通産情報 37(11),9-11
石炭の乾留(外気を遮断した状態で石炭を加熱することで,乾留により石炭は熱分解を起してガスを発生する。
ガスの他,タール,コークスなども得られる。
)によって作られたガスは,都市ガスや工業用燃料として広く用いられてきました。
しかし,乾留によるガスの発生量は石炭の重量の20%程度で,ガスの製造を主目的とする場合には,タールやコークスなどの乾留生成物もガス化することが必要となります。
現在,開発の対象とされているガス化というのは,酸素,水蒸気,水素などのガス化剤を用いて石炭の分子の結合を切断し,そのほとんどを効率よくメタン,一酸化炭素,水素などに分解し,同時に石炭中に含まれる硫黄,窒素,灰分などの環境汚染物質を除去したクリーンなエネルギーや化学原料に転換するプロセスを意味しています。