カオリンのアトリッションと改質に関する研究
[ガラスビーズを用いたカオリンのアトリッション試験]
山口義明/ 関口逸馬/ 植田芳信
1982年11月 北海道工業開発試験所報告 28,186-206
カオリンの品質を,さらに改善させる目的で行われた一連の試験研究の内容は,原石の化学分析,X線回折による鉱物組成,浮選試験.
および回収された精鉱の回収率,粒度,白度および原石,精鉱などの電子顕微鏡観察である。
これら一連の試験を通して,南白老産カオリンの回収上の問題点を整理した。
この間,回収された精鉱について,超音波による解砕と不純物の凝集除去試験,オゾンによる漂白試験,次亜塩素酸ナトリウム,過酸化水素水などによる漂白試験,脱鉄を目的としたオートクレーブによる熱水処理試験などを実施した。
これら一連の試験の結果は,それぞれ今後に問題を提起するものであるが,実用上経済性の点で難点がある。
加えて,カオリンの品質の改善には,粒度が一番重要であることから,特別研究2年目からは,カオリンの粒度規格の向上のためにはどうすべきか,という点に研究課題をしぼって試験研究を進めた。
その結果ガラスビーズを使用したカオリンのアトリッション試験は,予想以上の好絡果を生むに至り,本法による製法特許を申請した。
このような経緯で,54年度からは,小項目「閉回路系選鉱法の研究」の中で,ガラスビーズによるアトリッションの試験を推進した。