廃金属鉱山排水処理に関する二三の予試験

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池畑昭/ 石崎紘三
1982年3月 北海道工業開発試験所報告 27,15-21

 札幌市の近郊に現在廃山となっているT金鉱山がある。 一時は全国屈指の産出量を誇っていたが,次第に貧鉱になり採算が合わなくなって遂に10年程前に閉山になった。 しかし多年にわたって採堀したため,地下浸透水や,沢水がいたるところから旧坑道などに入り込み鉱床(主として硫化物鉱床)を洗い,更に空気酸化を伴って長い年月の間に硫化物を硫酸に変え,金属を溶出し,次第に旧坑口の側溝に集ってかなりの水量となり地表に流れ出ている。 8月に鉱山側の案内で現地をつぶさに調査し、必要な排水をサンプリングして実験室へ持ち帰り,種々の試験を行った。 本報告は,現地の状況とこの対策を得るために行った二三の予試験的検討の結果をとりまとめたものである。