鉄鉱石の高圧流動還元に関する研究
[緒論-粉鉄鉱石の高圧流動還元について]

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佐藤俊夫/ 鈴木良和/ 佐山惣吾
1982年3月 北海道工業開発試験所報告 26,1-2

 わが国における鉄鉱石の流動還元に関する研究が活発に行われはじめたのは1960年頃からであるが,その実験の最大規模は八幡東研法の1.1t/dayにとどまっており,直接還元プロセスの実用化はシャフト炉法が一歩先行して進められた。
 即ち,産学官の間で1968年以来原子力の鉄鋼業への利用についての検討がなされ,1973年から通産省の大型プロジェクトとして“高温還元ガス利用による直接製鉄技術”の研究が取り組まれてきた。 これは1980年代後半に運転予定の高温ガス実験炉に接続する還元シャフト炉のパイロットプラントの建設を目ざしたものであった。 これに並行して粉鉱石の流動層による還元に関する報告も重視されている。 しかし,流動層の実操業上の利点を明確にするには,高圧流動層における還元ガスの反応効率に関する学術的な研究課題と,高圧ガスの利用による技術的な課題が残されている。