2段流動層石炭チャーガス化テストプラントデータのモデル解析およびその計算法
森滋勝/ 野村聡一/ 平岡節郎/ 武田詔平
1981年11月 化学工学論文集 7,504-511
2段加圧流動層石炭チャーガス化炉について,段間の粒子交換速度および炭素ホールドアップ比の影響を考慮したシミュレーションモデルを提出した.
また,このモデルにおける連立方程式を解くにあたり,黄金分割法を用いて炭素反応率を反復修正する数値計算法を提出した.
本モデルにより,工業技術院北海道工業開発試験所におけるパイロットプラントの実測データを十分よく説明できることを示した.
さらに,本モデルによる計算結果から,2段流動層石炭ガス化装置の最も重要な利点は次の2点であることを明らかにした.
i)不活性硅砂とチャーとの段間における分級効果によって.
クリンカートラブルなしに1段目の温度を高温に維持できる.
ii)スラッギングを起こすことなく,層内全粒子ホールドアップ量を増加させることができる.