金属酸化物触媒上でのフェノール類の吸着状態に関する研究[マススペクトル法を用いる重水素化フェノールのH/D分布]
小谷川毅/ 下川勝義/ 山本光義/ 吉田忠
1981年9月 北海道工業開発試験所報告 25,9-12
酸化亜鉛-酸化鉄触媒上でフェノールのアルキル化反応を行った場合,最も特徴的な結果はフェノールのオルト位におけるアルキル化の選択率が99%を越えることである。
これまでフェノールのアルキル化には固体酸触媒が用いられていたが,o,m,p-アルキルフェノールの他にアニソールなどのアルキルエーテル類が多量に生成し実用的でなかった。
その後,酸化マグネシウムがオルト位アルキル化に優れた選択性を示すことが報告された。
しかし,アニソールや2,4,6-トリメチルフェノールなどの副産物がわずかに生成し選択率を低下させている。
ここでは第1,2章の結論を基礎に高選択率活性を生み出す反応機構の解明を目的として実験を行った。