高分子材料の耐久性に関する研究
[熱可塑性プラスチックシートの耐候性-メタクリルの耐候性]
鈴木智/ 窪田大/ 西村興男/ 服部滋/ 吉川喜治/ 代田忠
1981年3月 北海道工業開発試験所報告 24,46-60
メタクリル樹脂(以下PMMAと略記する)の光劣化反応についてRanbyらは次のように述べている。
PMMAは253.7nmにおいて低い吸収を有し,その光は内部に深く侵入し光劣化反応を起こす。
PMMAは一般に耐湿性があまり良くないが、湿度の増加と共に耐久限度がわずかに減少するとしたGorelovらの報告,水中でのクリープ挙動を報じたPutzらの報告がある。
PMMAに負荷をかけた状態での耐侯性に関しては,Popravkoら,Boboevらの報告があるが,何れも影響は認められなかったとしている。
LohrらはPMMAの降伏応力に及ぼす紫外線照射の影響を検討し,照射後の降伏応力挙動を予知する式を示している。
以上,PMMAの耐候性に関する研究を概説したが,屋外暴露における地域差の問題を関連づけて報告したものはない。
よって以下においてPMMAについて総合的評価を試みる。