石炭の連続液化装置における石炭ペーストの送入方法
横山慎一/ 上田成/ 前河涌典
1981年2月 北海道工業開発試験所報告 22,24-28
石炭を粉体のまま液化反応系に送入しようとすると,空気の混入,反応系の気密保持の困難さ,水素化分解開始時における生成物の粘着性の発生による流動の阻害,物質移動及び熱移動の不良及び局部過熱による反応物の熱分解固化など種々の障害が起るため,通常は重質の油と混合し,スラリー状(これを石炭ペーストと呼んでいる)にして供給している。
しかし,この石炭ペーストは固体の石炭を含有しているために沈降による流路系の閉塞を起し易く,またペースト圧入ポンプの摩耗などをひき起すために,石炭液化の連続操業を中断させる原因となってきたことが知られており,今日でもなお,石炭液化プロセスの工業化に際して大きな問題となっている。
本報告では,新しい考え方に基づいて石炭ペーストポンプを設計試作し、試験したところ良好な試験結果が得られたので紹介する。