異種酸化物含有ヘマタイト圧粉体とその焼成体の水素還元過程における膨脹と収縮

　還元過程で鉄鉱石中の脈石成分が還元される鉄鉱石の膨張，収縮におよぼす影響について調べた． すなわち，脈石成分として多く含まれているアルミナ，シリカの粒径の異なるものを高純度ヘマタイト粉末にそれぞれ混合した圧粉体の焼成の有無による膨張，収縮の相違を調べるため，電気抵抗と熱膨張率の変化により還元ならびに焼結にともなう膨張収縮量を連続的に追跡した． 一般に物質の相変化にともなう電気的な性質，ならびに粉末粒子間の接触状況の変化は電気抵抗の測定から求めることができ，これまで純金属粉末の焼結現象について電気抵抗の測定により検討してきたが，さらにここでは熱膨張率と電気抵抗との相関から，膨張収縮機構ならびにこれにともなうき裂の発生について考察した．