石炭の加熱処理過程における鉱物質の挙動
横山慎一/ 奥谷猛/ 長谷川義久/ 吉田諒一/ 石井忠雄
1980年4月 燃料協会誌 59(4),250-260
最近,石炭鉱物質をほとんど変質させることなく有機質から分離する方法として低温灰化法が利用されている。
この方法は高周波で励起された酸素気流中で石炭有機質を酸化除去する方法であり,150〜200℃の低温領域で酸化できる。
この方法を用いてMitchellらによりアメリカ炭の灰分の鉱物学的研究,O’Gormanらにより鉱物質の熱挙動について研究が行なわれている。
しかしながら,日本炭については未だ低温灰(Low Temperature Ash:LTA)を用いての鉱物質についての研究は見ることができない。
本研究では,4種の日本炭のLTAを調製し,石炭中の鉱物質とLTAの比較を行ない,さらに400〜1300℃の温度での鉱物質の挙動について検討した。