アタクチックポリプロピレンの流動層熱分解による油の回収
-油の収率と性状におよぼす酸素濃度の影響-
西崎寛樹/ 吉田邦夫/ 遠藤一夫
1980年6月 日本化学会誌 1980,1054-1059
ポリプロピレンを合成するさい副生するアタクチックポリプロピレン(APP)を流動層により熱分解して油を回収し,燃料油として再利用することを試みた。
砂粒子を流動化した中でAPPを部分酸化し,その熱によって熱分解を進行させる。
したがって供給する流動化ガス中の酸素濃度は生成する油の収率と性状に大きな影響をおよぼすので,各種の濃度ガスによる測定を行なった。
入口の酸素濃度が高いとき,流動層内で消費されず残存する酸素は生成油の酸化と熱分解をフリーボード部で行ない,生成油の低分子化が促進されることが装置内の温度,濃度分布の測定によって明らかにされた。