固定燃焼装置からの窒素酸化物排出防止技術に関する研究
[パイロット試験-ニッケルアンミン錯体によるNO-NO2の吸収除去試験]
井戸川清/ 池田光二/ 福田隆至/ 藤枝重明/ 長哲郎
1980年3月 北海道工業開発試験所報告 21,78-84
鉄,ニッケル,コバルトなどの遷移金属イオンは亜硝酸を配位子とする錯体を形成するため,NOx(=N2O3)とは高い反応性を示す。
NOxを吸収した吸収液は100℃程度で熱分解され、N2となり,また,金属イオンは水酸化物として回収できるため,再生使用が容易である。
また,反応ガス中にO2が共存する場合にも吸収剤のNOx除去能は影響を受けないなどの利点をもち,興味深い吸収剤である。
本報告では,ニッケルアンミン錯体によるNO,NO2混合ガスの吸収除去試験を中間規模の横型攪拌槽と充填塔を用いて行ない,除去性能におよぼす操作条件の影響について検討した。