ポリスチレンの熱分解とその分解速度
斉藤喜代志/ 富田稔
1980年3月 北海道工業開発試験所報告 20,17-29
プラスチック廃棄物は腐敗せず,焼却すると悪臭ガスや不完全燃焼による残渣物が生成するので,その処理対策が重要な問題となっている。
ポリスチレン(以下PSとする)廃棄物の処理についてもその対策が検討されている。
PSは熱分解するとスチレン単量体を多く生成するポリマーとして知られており,熱分解によって生成するスチレン単量体を再生利用することは資源の有効利用の面からも有益である。
著者らはプラスチック廃棄物の有効利用のために、流動層装置を用いて燃焼処理やガス化および乾留分解法による液化処理を行ってきた。
本研究ではPSの熱分解によって有用な物質を回収するための基礎研究としてPSの熱分解反応過程を検討した。