2-(2-チアゾリルアゾ)-5-ジメチルアミノフェノール錯体とEDTAとの配位子置換速度を利用する銅(II)の定量法

問合わせ ひとつ戻る DB入口へ トップページへ

中川孝一/ 緒方敏夫/ 原口謙策/ 伊藤三郎
1980年5月 分析化学 29,319-322

 非イオン性界面活性剤トリトンX-100を用いて可溶化した2-(2-チアゾリルアゾ)-5-ジメチルアミノフェノール(TAM)錯体とEDTAとをストップド・フロー法を用いて皮応させ,吸光度の時間変化から銅(II)を定量する方法を検討した. 本法に対し銅-TAM錯体の反応速度に近い反応速度を持つカドミウム及び亜鉛錯体は影響を与える. 更に鉄(II)は多量に共存する場合にはTAMを大量に消費するため定量誤差を与える可能性がある. そのため本法ではクエン酸によるカドミウム及び亜鉛のマスキング法,及びペルオキソ二硫酸アンモニウムを用いて鉄を酸化するマスキング法を用いた. 本法により亜鉛(II),カドミウム(II),ニッケル(II),コバルト(II),マンガン(II),鉄(II,III)と共存する1μg/50cm3以上の銅を簡単迅速に定量できる. 定量誤差は3%以内である. ハロゲンイオン,硝酸イオン,硫酸イオン,酢酸イオンなどの陰イオンは全く影響しない.