13C-,1H-NMRスペクトルによる石炭高圧水素化分解反応液化油の化学構造
-13C-NMRの定量性と構造解折法-
横山晋/ 内野洋之/ 加藤隆/ 真田雄三/ 吉田忠
1979年10月 燃料協会誌 58(10),837-846
著者らは石炭水素化分解液化油の構造研究に常法のプロトン連続照射法の13C-NMRスペクトルを測定し,水素の結合しない(Unprotonated)芳香族炭素はNOE効果と一部飽和現象のためにシグナル強度が相対的に過小である事を認め,この補償を試みた。
本研究ではNOE効果が抑制できるGated decoupling法を適用し,かつNOE効果が関与しないプロトンカップリング法と従来法のプロトン連続照射法とも比較してスペクトルの定量性について検討を加えた。
この結果,定量性のある13C-NMRスペクトルの測定に対して確信が持てるようになった。
そこで,13C-,1H-NMRスペクトルの併用によって,Brown-Ladner法の“構造単位”に関する重要な構造パラメーター(Hau/Ca,σ,fa,Ho/Hα)を解析するのに,仮定を大幅に減じた精度の高い解析法を提出した。
これによって赤平炭の水添液化油オイル分の構造解析を行なった。