アゾ染料のオゾン分解による含窒素生成物
石崎紘三/ 坂田勝彦/ 神力就子/ 池畑昭
1979年8月 日本化学会誌 1979,1124-1126
染色工場排水の処理においてオゾンが効果的に脱色を行なうことが判明し,実用プロセスとして利用されつつある。
しかし,染料にはアゾ基をはじめ種々の含窒素官能基をもつものが多く,オゾンとの反応によりニトロソアミンなどの有害物質が生ずる可能性があり,分解生成物による二次的汚染が懸念される。
染料のオゾン分解生成物については有機溶媒中におけるジアゾ化合物,ピラゾロンアゾメチン染料などについてのいくつかの報告があるが,水溶液中では男成の報告以外には見あたらない。
しかしこれもアゾ染料について二三の中間生成物を確認したものであり,有害物質の生成の有無を検討した報告は皆無である。
そこで著者らは染料の主要な部分を閉めるアゾ染料の中から〔1〕〜〔5〕を選んで水溶液中でオゾン処理し,生成物の中でも有害性の点においてとくに問題が多い含窒素化合物について検索を行い,窒素ガスが主要な生成物であることなどの知見を得た。