流動層技術
-小豆餅の流動乾燥-

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富田稔
1978年3月 北海道工業開発試験所技術資料 7,45-46

 小豆餡は生菓子,ようかんなどの製造に欠くことのできない原料であり,近年ではインスタント食品および氷菓子にも使用されつつある日本特有の食品である。 餡を大別すると生餡と乾燥餡があり,生餡は貯蔵性に乏しいが,餡特有の風味を持ち高級製品の原料として使用されている。 乾燥餡は貯蔵性に優れているので市場性が高いが,従来の製造方法では乾燥に時間がかかり,水で生餡に戻す場合に復元性が悪く,デンプン臭やザラツキがあるなど風味が失なわれやすい。 また,粉砕工程を経るために細粉が多くハンドリングに問題がある。 乾燥餡のこれらの欠点をなくすためには,その製造工程の中で比較的低温で短時間に乾燥し,粉砕工程を経ない事が必要である。
 本研究では,このことを実現する方式として流動層による生餡の乾燥を行い,復元性がよく,風味の失われない顆粒状の乾燥餡を得たので,その結果を紹介する。