流動層技術
-ポリエチレン・ポリプロピレンの部分燃焼によるガス化-
斉藤喜代志
1978年3月 北海道工業開発試験所技術資料 7,36-37
近年,プラスチック使用量の増大により,その廃棄物の処理が問題となっており,二次公害の併発を促進する恐れがあるといわれ,社会的な視野から見なおされている。
そのために,処理技術,装置の確立をつよく要求されている現状である。
当試験所でも,流動層を用いて研究を行ってきた。
その中で,ポリエチレン,ポリプロピレンの部分燃焼法によって,ガス化に利用できる知見を得たので述べる。
反応炉は,0,3mmの砂が流動化する流動層で,内径110mmφ,分散板からの高さ1000mmのステンレス製である。
分散板も,ステンレス製であり,孔径1mm,開口比1.5%の多孔板を使用した。
流動層高は静止時の重量を維持するように調整した。
試料は5mmφのペレット状の物を使用した。
供給方法は試料単体を流動層内下部の位置に,冷却しながらスクリューフィーダーで連続的に供給している。
ポリエチレン,ポリプロピレンは,窒素ガス雰囲気内350〜400℃間で熱分解を起こし,空気雰囲気内280〜330℃間で部分燃焼を起こす。
ガス化はガス雰囲気の違いと,吹込み条件によって異なるが530℃以上であれば十分可能であることがわかった。
したがって,反応炉はガス化温度以上に加熱したのち,試料とガスを所定の速度で供給することが実用的である。
分解ガスはクーラーで水とガスに分かれる。