流動層技術
-流動層による塩化ビニル樹脂の脱塩化水素-

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田村勇
1978年3月 北海道工業開発試験所技術資料 7,33-34

 公害防止技術の一つとして,高分子廃棄物の処理技術の確立が急がれている。 高分子廃棄物の処理法としては焼却処理,破砕処理,分解処理,微生物処理等が考えられるが,当所では塩化ビニル樹脂,ポリエチレン樹脂等の焼却,熱分解処理を媒体流動層によって行うことを目的とし,その装置特性の研究を進めている。
 高分子はその種類によって燃焼時または分解時の特性が異なる。 塩化ビニル樹脂は50wt%以上の塩素を含有し,従来の焼却炉による処理では,塩化水素ガスを発生し,炉材の腐蝕と有毒ガスの回収除去が大きな問題となる。 したがって従来,固体廃棄物処理がシステム化するにつれて,塩化ビニル樹脂の塩素分を除去する前処理を行うことが必要となる。 このため,媒体流動層により比較的低い温度で分解し,塩化水素を吸収することを目的とし一連の実験を進めた。