流動層技術
-石炭チャーの加圧ガス化の研究基礎-

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河端淳一
1978年3月 北海道工業開発試験所技術資料 7,22-24

 当所における石炭のガス化技術開発研究の状況を紹介したい。
 石炭のガス化は,生成するガス組成によって高カロリーガスと低カロリーガスに大別できる。
 低カロリーガス化は,その生成ガスをガスタービンとスチームタービンとを組合わせた効率の高い発電,いわゆる複合サイクル発電に用いることを目的としている。 現在アメリカでは,既設されている40気圧のパイプライン網を有効に利用するという考えに立って高カロリーガス化の研究が先行しているようであるが,実用化までには最低2〜3年はかかると言われている。 低カロリーガス化の技術は,高カロリーガス化の研究に比べるとプロセスのうえでは簡単ではあるが,現在実用段階にあるのは固定層方式のLurgi法くらいのもので(西ドイツのSTEAG法),流動層方式のものは研究の段階である。 しかしながら,流動ガス化法は固定層方式に比べ使用できる炭種の幅が広く,処理量が大きいなどの利点が多いためアメリカにおいても加圧流動ガス化方式の研究が主流となっている。
 この流動層技術は,当所で十数年来取組んできた研究であり,その技術的蓄積は大きい。 この技術をもとに昭和50年度から高カロリーガス化プロセスに関する基礎研究を行ってきている。