流動層技術
-横型連続式媒体流動炉について(製鉄用成型コークスの製造試験-
平間利昌
1978年3月 北海道工業開発試験所技術資料 7,17-18
流動層は,その優れた伝熱・混合特性や操作性などから気体-固体反応装置として広く使用されてきた。
近年は,廃棄物処理装置,粉粒体の分級や造粒装置など,ますます使用分野を拡大しつつあり,それと共に装置型式も多彩になってきている。
その一つに媒体流動層がある。
媒体流動層の定義は,まだ確固としてはいないが,おおまかには通常の流動層との違いを,次のように説明できよう。
通常の流動層は,流動層を構成する粒子またはガスのどちらか,あるいはその両者を処理対象としている。
それに対して媒体流動層は,流動層内で働く見掛けの浮力あるいは流動化粒子の動きを利用して,流動化粒子以外の第3の物質を浮遊・流動化させながら目的の処理を行おうとするものである。
このような媒体流動層を利用して,当所では製鉄用成形コークスの焼成,廃タイヤ・廃プラスチック処理などの試験を行ってきている。
ここでは,中間規模の横型連続式媒体流動焼成炉を使った製鉄用成形コークスの製造試験結果に基づき,横型連続式媒体流動層の装置特性について述べる。