流動層技術
-攪拌流動層による石炭の乾留-
新川一彦
1978年3月 北海道工業開発試験所技術資料 7,14-15
微粉炭から固形無煙燃料を製造するためには,まず煙の原因となる一次タールを抜くことと,石炭自身のもつ熱可塑性を利用することの2点が満足されなければならない。
石炭にもよるが赤平炭,空知炭等で420℃程度がその条件に該当する。
従って,まず最初にその温度での熱処理と,得られた乾留粉をダブルロールで成型する二工程となる。
成型コークスの場合は,この成型品をさらに焼成するわけである。
次に,石炭から活性炭を造る場合は,始めに適切な温度(500〜800℃)で脱揮発を行い,その乾留粉を賦活する。
これらの製造法は,いずれも始めに乾留工程が来ることで共通している。
我々は,石炭の乾留を攪拌流動層を用いて,従来にみられなかったような精密な条件で行うことを試みた。
その結果非常に高い精度で,しかもかなり自在に低いコストで出来ることがわかった。