タール酸の成分検索ならびに分離に関する調査
-クロマトグラフィーによるタール酸の成分検索-

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尾辻三徳
1963年10月 北海道工業開発試験所技術資料 5,3-42

 西ドイツHessen産のWölferheim炭を乾留して得られたタールを試料とし,常圧蒸留を二回繰返して液状SO2で抽出し,その抽出液(原タールの51.8%)から酸性油を更にアルカリで抽出して得られたフェノール混合物を粗蒸留する。 次に各留分を減圧下に精留して酸性油に相当する27留分をペーパークロマトグラフィーによって分析している。 各留分における諸成分の特性と,標準物質のそれとを比較することによって,未知のフェノール類を確認することができる。
 結論として,円形濾紙を用いたクロマトグラフィーは,かなり簡単な機器を使用して性質の類似した化合物を分離することができるが,その際に,必要な標準物質を自由に使用できない点に問題があるために定性分析に充分活用することができない。 石炭タール,特に褐炭の低温タール中にその存在を確信される高級フェノール類の諸性質を完全に解明するには,かゝる同定用の標準フェノール類を合成することによって一つの系列に整えるべきことが先決問題であるとしている。