固体無煙燃料工業に関する調査第1報
-乾留炉の型式と加熱方式-

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館林昌平
1961年9月 北海道工業開発試験所技術資料 3,1-95

 本技術資料は当試験所が昭和36年度より実施する“新乾留法による道炭の利用合理化に関する特別研究”に必要な基礎資料を得るためまず乾留炉の型式と加熱方式を決定するに当って内外の固体無煙燃料製造用乾留炉について調査し参考となる事項を第1報としてとりまとめたものである。
 近年大気汚染の問題は環境衛生の面から大きく取上げられ,東京都の煤煙防止条例を始め神奈川県,福岡県においてもそれぞれ工場公害防止条例が制定され煤煙,ガスなどによる大気汚染を規制することになった。 特に北海道地区においては冬期間の都市における家庭用燃料に起因する煤煙は他府県と比較にならない程深刻な問題を含んでおり早急な対策が望まれている。 工場地域においては集塵設備,有害ガス除去施設または煤煙防止の設備等を取り付けることにより一応の成果をおさめているが,家庭用燃料に起因する煤煙は無煙燃料を普及して発生の根源を絶つのでなければ根本的な対策とならないことは緒外国の実例が良くこれを物語っている。