フライアッシュ 蒸気養生・オートクレーブ(石灰炭(フライアッシュ)の建材への利用について)
井上憲弘
1996年6月 九州コンクリート研究会第78回技術研究会 コンクリート粉粒体, 九州 96,148-156
石油代替エネルギー熱源として石炭消費量の急増が予測される今日,副生する石炭灰をいかに処理するか,環境問題ともからめて各方面で真剣に検討されている。
工業技術院においても昭和56年度より石炭灰を対象とする特別研究を3テーマ発足させ,傘下の6研究所で分担し研究を継続中である。
当所は,「石炭灰の固化による有効利用技術に関する研究」の一環として石炭灰の建材化技術を担当し,「石炭灰のゲル化による軽量建材化」を研究している。
本稿では,まず石炭灰の発生量,分類と回収法,性状及び利用法などについて述べたあと,九州工業技術試験所で行っている石炭灰を主原料とした建材の製造研究について紹介してみたい。
当所で行った実験は,広範囲に選べる実験要因を網らしたわけではない。
したがって,製造条件をさらに適切に選ぶことによって,軽量化性ならびに強度の向上は可能と考えられる。