フライアッシュと石灰,セッコウとの水熱反応性(V反応性におよぼす加熱処理の影響)

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恒松修二/ 井上憲弘/ 原尚道
1989年1月 石膏と石灰 219

 本報では,600℃から1600℃の範囲で加熱処理したフライアッシュの鉱物組成の変化が水熱反応性や反応生成物に与える影響を明らかにするため,水熱反応後の未反応フライアッシュのガラス相,α‐石英およびムライトを定量し,さらにフライアッシュのガラス相からの溶出成分についての検討を行った。
 最近火力発電所では,NOX対策のため微紛炭の燃焼温度を低下させる傾向にある。 その結果,フライアッシュはアルカリと未燃カーボン量が増加し,ガラス化は不十分で,粒子形状も球状を呈しないいびつなものが多く見られるようになってきている。 したがって,本研究は最近のフライアッシュの性状の変化に対応するための基礎的知見を与えるものでもある。