石炭灰の水熱反応による建材化
井上憲弘/ 原尚道
1982年11月 第8回産業公害研究総合推進会議研究成果発表会, 東京 -
これまでに,筆者らは,ガラス相を主体とする高炉水砕スラグ(以下水さいと略称する)及び火山噴出物「シラス」を対象に,石灰,セッコウ存在下,100℃以下での水熱反応,すなわちゲル化を軽量化手段とする建材製造に関する研究を行ってきた。
石炭灰は回収場所により性状は異なるが,その大部分はフライアッシュとして回収されている。
フライアッシュも,水さい,シラスと同様にガラス相を主体とするので,同様にゲル化による軽量建材化が可能ではないかと考えた。
しかしガラス相という共通点はあるが,化学組成,含有結晶鉱物,粒子性状等は水さいやシラスとは異なるので,フライアッシュの本法に対する原料適性を評価する上には,水さい及びシラスとの比較試験が適当であると考えて本実験を行った。