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当研究グループについて

デジタルヒューマンの目標

デジタルヒューマン研究グループ グループ長
グループ長 多田充徳

デジタルヒューマン研究グループは、2015年の4月にデジタルヒューマン工学研究センターの後継として発足しました。

我々が研究するデジタルヒューマンとは、生活空間と情報空間を橋渡しするためのインタフェース技術の総称です。健康かつ安全で持続可能な社会を実現するために、デジタルヒューマン技術を活用することで、生活者に感覚情報や付加価値の高い製品・サービスを提供し、行動・生活・社会を変容させることを目標としています。

これを達成するために、感覚、身体、行動、生活、さらには社会に至るまで、様々なレベルでの人間機能を、実験室で収集した質の高いデータに基づきモデル化する技術、このモデルを用いて、生活者の人間機能データを大規模に計測し、モデルを更新する技術、そして、計測したデータとこのモデルを用いて、生活者に介入するための技術を研究しています。

この生活空間と情報空間の間の相互作用こそが、デジタルヒューマンをインタフェース技術と位置づける所以です。これには、計測したデータを用いてデザインした感覚提示による即時的な行動の変容から、計測・蓄積したデータを用いてデザインした製品・サービスによる長期的な生活・社会の変容まで、様々な時間スケールでの相互作用が含まれています。

このような相互作用を持続的に駆動するには、製造業、サービス産業、そして自治体などとの連携が重要になります。デジタルヒューマン研究グループでは、様々な企業や外部機関との連携を通じて、人間機能のモデル化、生活者の計測、そして生活者への介入に関する具体的な事例を解決しながら、デジタルヒューマン技術を確立していきます。

デジタルヒューマンの歴史

デジタルヒューマン研究グループの前身となる、デジタルヒューマン研究ラボは2001年4月1日に、金出武雄ラボ長の提唱に基づいて発足しました。2003年には研究センター、そして2010年には工学研究センターとなり、一貫して人間機能(生理解剖、運動機械、心理認知)を観測、モデル化、提示する技術を確立し、それらを製品デザインに活用する研究を進めてきました。

研究センターが提唱した「デジタルヒューマン」という考え方は、学術分野・産業分野に定着し、一定の研究成果を収めました。ここで実現したデジタルヒューマン技術は、個人の身体機能をモデル化し、それに基づいて製品・サービスの設計を支援するもので、個人ユーザの欲求を満足させるための技術でした。

これらの研究を通じ、子どもに安全な製品が大人に少し使いにいために普及しなかったり、健康への取り組みがなかなか持続できず社会の医療負担が低減できないなど、個人の欲求と社会全体の価値が相反するケースにも直面するようになりました。

このような問題に取り組むには、単に、個人の身体機能をモデル化して、身体と製品とで最適設計をするだけでなく、製品やサービスの提供を受けたときの行動や生活をもモデル化し、より広い視点で人間生活と製品・サービスを最適設計する必要があると考えました。

学術的なデジタルヒューマン研究では、身体をより精密に、臓器、細胞、遺伝子レベルまで掘り下げてモデル化していく方向が主流ですが、われわれはあえて逆向きに、身体を基盤として行動、生活、社会をモデル化する研究を進めています。

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