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【地域トピックス−岡山県が海砂採取全面禁止へ−】

西日本地域の土木・建築現場で使用される砂は,瀬戸内海の海砂に大きく依存してきました.そのため,瀬戸内海における海砂の採取はかっては沿岸の中国・四国・九州・近畿の各地方自治体で行われていました.しかし,近年,瀬戸内海の自然環境保全意識の高まりなどにより,海砂の採取は全面禁止の方向に進んでいます.

瀬戸内海の海砂は,1960〜1970年代に兵庫県や徳島県などが採取禁止に踏み切り,1998(平成10)年2月からは広島県が海砂採取の全面禁止を決定しました.その後,岡山・香川・愛媛の3県が瀬戸内海の海砂の大量採取を行ってきましたが,本年4月からは岡山県が同県の海域において海砂採取の全面禁止に踏み切りました.このため,今後は県内各地に貯砂された海砂を使い切れば,土木・建築現場では海砂から代替え材へ急速に切り替えが進捗すると推察されます.海砂の代替え材として最も有望な資材は,砕砂です.

岡山県が4月から海砂採取の全面禁止措置を取ったことにより,県内とその周辺地域の土木・建築現場では砂の供給不足を懸念されましたが,その混乱は起きていないようです.これは長引く経済不況下で土木・建築工事の着工件数が激減したことに伴い,砂の消費量が落ち込んでいるためかも知れませんし,海砂の代替え材としての砕砂が相当量供給されているのかも知れません.いずれにせよ,これらを裏付ける需給量数値は現在のところ公表されていません。

なお,香川・愛媛の2県は,2006(平成18)年度までに両県の海域において海砂採取の全面禁止措置を執る方針です.

(小村 良二,2003.5)

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