地圏環境リスク研究グループ

 

■地圏環境リスク評価システム

CO2地中貯留 バージョンの公開 (2011/3/23)


 地圏環境リスク研究グループ(駒井武研究グループ長・田中敦子主任研究員・坂本靖英研究員)は、温暖化物質排出抑制を目的としたCO2地中貯留のリスク評価に利用できる「地圏環境リスク評価システム(GERAS:Geo-environmental Risk Assessment System)のCO2地中貯留バージョンプロトタイプ「CO2GS: CO2 Geological Storage Risk Assessment System」を完成させ、2011年3月23日に公開しました。


 GERAS-CO2GSは、与えられたCO2地中貯留量・地質・海洋・気象の各条件に基づき、CO2の移動を地中および地表面についてシミュレーションするものです。プロトタイプであるGERAS-CO2GSは、地中貯留したCO2の地表から地中の貯留層までの垂直面上の移動と滞留を、空間的な分布として可視化できます。また、地表におけるCO2の移動分布と、季節変化を考慮したリスクをGoogle Earth上に表示できます。


 今後は種々のデータベースを充実させ、より詳細なリスク評価機能を加えて、CO2地中貯留についての定量的なリスク評価ツールとして充実する予定です。CO2排出量の抑制と安定したエネルギー供給の両立のための政策・法規・基準の考察や、小規模なCO2地中貯留の実施を考慮する企業の考察に、役立つことが期待されます。



GERAS-CO2GSは、以下のような機能をもっています。


・与えられた総CO2注入量と地層特性に基づき、各層のCO2保持量を計算します。

・さまざまなエンドポイントに対するCO2の特性をデータベースとして保存できます。

ADMER*による地表のCO2の移動・拡散の計算結果を読みこみ、リスクを評価してGoogle Earth上に表示します。



[*ADMER:産総研 安全科学研究部門-曝露・リスク評価大気拡散モデル, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology - Atmospheric Dispersion Model for Exposure and Risk assessment : AIST-ADMER ]




CO2地中貯留におけるCO2移動量計算画面

地表から地中の移動と固定量を評価します



地表におけるCO2の拡散 

(左)地表のCO2濃度計算結果 (右)リスク判定結果をGoogle Earthに表示



GERAS-CO2GSのブロック図



GERAS-CO2GSプログラムの機能)

1)地中CO2移動量計算

   CO2地中貯留基本データ入出力

・注入量、係数、、計算結果(保持割合・保持量)表示

2)CO2地表移動量読みこみ

・プログラムADMERの計算結果csv ファイルを読み込む。

・ADMERデータのフォーマットは発注側担当者が提供する。

3)CO2リスクデータ入力

・地中・海洋・地表のリスク評価用基準データの読みこみ・表示

4)CO2リスク評価

・リスクデータの何れか1項目を選択し,CO2移動量と比較し、リスク判定を行う

   (この機能は、現状は地表のみ。)


(お問い合わせ)


 下記のアドレスにご一報下さい。

ご連絡の際には氏名、所属、連絡先(住所、電話、メール)を明記してください。

個人情報保護法に基づいて、これらの情報は本目的以外では使用いたしません。


・電子メールの場合:

 geras-co2gs-ml@aist.go.jp

 題名に、GERAS-CO2GS問いあわせと明記して下さい。


・郵送の場合

305-8567 つくば市東1−1−1

産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門

地圏環境リスク研究グループ内 GERAS-CO2GSシステム担当



Last modified: 2012.5.28