産総研_エネルギー・環境領域 環境創生研究部門_研究カタログ2022
4/22

ベルトコンベヤ上を流れる金属スクラップ、廃プラスチック、廃小型家電製品等を対象に3D画像、3D形状特徴量、2Dカラー画像、重量、近赤外吸収スペクトル、誘導起電力等をセンシング、独自開発のAI解析によって、種類、材質、品目、型番等を識別(廃製品の場合は型番情報に基づいてデータサーバにアクセスして登録情報から後段の自動解体工程を瞬時に選択)、その結果に基づいて、電磁パドル、スラットコンベヤ、ロボットアーム等を動作させて振分・回収を行う高機能な選別システム(ソータ)を研究しています。AIの汎化性能(訓練データに対してだけでなく未知データを上手く予測する性能)の最大化が高機能ソータ開発の鍵と言えます。複数種類センサの検知データを融合して対象物の特徴をより明確化した後、AIに入力するアプローチを取り、選別目的に応じた必要最小限のセンサ構成と効率的なデータ管理方法に関する知見を獲得し独自開発装置にて実験検証を進めています。この成果はNEDO委託業務「高効率な資源循環システムを構築するためのリサイクル技術の研究開発事業」、「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発」で得られたものです。担当者:古屋仲茂樹s-koyanaka@aist.go.jp環境創生研究部門資源価値創生研究グループ連絡先:エネルギー・環境領域eneenv-ic-ml@aist.go.jp廃小型デジタル家電自動選別システム(製品ソータ)産廃プラスチック自動選別システム(FP型AIソータ)─ 2 ─ResearchAchievement▶リサイクルプラントを完全無人化する自動供給、解体、選別システムの実現▶海外リサイクル装置メーカに伍する高度選別システム(ソータ)の開発資源リサイクルの現場では人手不足が深刻化しており、従来人手で行ってきた選別作業の省人化・無人化が切望されています。近年、AI画像認識を用いたロボット選別システムが開発され先駆的な装置が上市されましたが、広く普及するまでには至っていません。現場では多種多様な廃棄物を扱っており、規格化された商品等の仕分けに比べると状況は格段に複雑です。出来合いの訓練済AIモデルを流用しても大きな効果は期待できず、個々の選別状況に応じたAIモデルを構築して性能確認・改善を行う必要があります。本研究では、多様なリサイクル現場と密接に連携しつつ、既存選別システムにない機能を有し人手選別に比してコストメリットのある自動選別システムの実現を目指しています。人手選別を代替する高機能ソータの開発データ融合によりAIの汎化性能を向上Future複合センシングによるスラップ自動選別システム資源リサイクル現場の人手不足を解消する高度選別技術

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る