産総研_エネルギー・環境領域 環境創生研究部門_研究カタログ2022
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スパイクタンパク質の構造可変性マップパターン及びその定量化データが、多重変異株の抗体回避能及び発現量増加に伴う感染性との良い相関性を示すことがわかりました。また、アスパラギン酸がグリシンに変異したD614G変異において、他のアミノ酸ではなくなぜグリシンに変異したのか明らかにし、高い感染性を説明しました。・US11119033B2(2021/09/14)・Izumi,H.et.al.ACSOmega6,19323-19329(2021)https://doi.org/10.1021/acsomega.1c03055・本研究はJSPS科研費JP19K05431,JP22K05073の助成を受けたものです。担当者:和泉博izumi.h@aist.go.jp環境創生研究部門環境機能活用研究グループ連絡先:エネルギー・環境領域eneenv-ic-ml@aist.go.jp3個の独立したネットワークアーキテクチャによる予測SARS-CoV-2多重変異株の柔軟性/剛性マップパターン─ 15 ─ResearchAchievement▶高い予測精度による創薬にむけたタンパク質ターゲット剛性部位の選定への応用▶大量の構造データ集積が進めばCas13d等のゲノム編集RNAシステムにも適用可能環境分析や希少金属の回収には高分子を含む有機分子が利用されており、産業界において精度の高い構造情報を知りたいというニーズがあります。機能性有機分子の多くは原子間結合の回転の自由度によりその形を変化させながら働いており、シミュレーション解析などが行われていますが、その精度の検証はほとんど行われていません。そこで、私たちは有機分子のコンフォメーションをクリック操作でコード化して記述する技術を開発し精度の高い構造情報を集積することで、機能性分子の設計に活用する研究を行ってきました。タンパク質構造可変性予測システムの構築SARS-CoV-2の出現が大きな社会問題となっていることから、コンフォメーション解析の知財を活用して、スパイクタンパク質の解析に取り組みました。タンパク質の構造変化に着目した、3個の独立したネットワークからなる構造可変性ディープニューラルネットワーク予測システムを構築しました。AlphaFold2を補完して構造可変性を予測構造上に表示可能です。・特許第5672596号(2015/01/09)・特許第6085814号(2017/02/10)・Izumi,H.et.al.ACSOmega5,30556-30567(2020)https://doi.org/10.1021/acsomega.0c04472タンパク質柔軟性/剛性マップパターン予測FutureAlphaFold2を補完して創薬ターゲット剛性部位を予測可能タンパク質構造可変性ディープラーニング予測システム

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