各種環境に生息する微生物の多様性・存在量・機能情報を網羅的に解析してデータベース化し、

微生物の機能に基づく革新的な環境バイオテクノロジーの創成を目指しています。

NEWS

2017-03-01
環境微生物DBプロジェクトメンバーの稲葉知大研究員、堀知行主任研究員らによる「活性汚泥による水処理膜の閉塞を新たな手法で解析」が産業技術総合研究所のプレスリリースで紹介されました。
2017-03-01
環境微生物データペースプロジェクトのウェブサイトを開設しました。

環境微生物データベースプロジェクトとは

 土壌、河川、海洋、地下圏などの自然環境、動植物の生体内、都市下水処理や堆肥化プロセスなどの人工環境に生息する目に見えない生き物「微生物」は、地球規模の物質循環、動植物の生体機能の維持、人間社会が自然環境に及ぼす負荷を低減する環境浄化技術において重要な役割を果たしています。次世代シークエンサーの急速な発展と普及により、このような微生物の遺伝子情報に容易にアクセスすることができる時代を迎えている中、我々が推進する「環境微生物データベースプロジェクト」では、各種環境に生息する微生物の多様性・存在量・機能情報を網羅的に解析してデータベース化し、微生物の機能に基づく革新的な環境バイオテクノロジーの創成を目指しています。

まずは「都市下水処理」から

 廃水処理プロセスは、限りある水資源の循環と再利用を支える社会基盤技術の要です。しかし、既存施設の老朽化、人口増加に伴う廃水量の増加、化学工業の発展に伴う廃水種の多様化に伴い、処理効率の安定化や、様々な化学物質の分解処理へ向けた柔軟性の向上、廃水からのエネルギー・資源の回収に向けた高度化など、これまでの廃水処理技術そのものを持続的発展が可能な社会に適合させるための技術革新が求められています。廃水処理プロセスの内部では、様々な微生物が「汚泥」と呼ばれる複合微生物系を形成して廃水中に含まれる有機物・無機物の分解・除去を担っていますが、汚泥を構成する微生物群の生理・生態学的機能の全貌は明らかになっていません。環境微生物データベースプロジェクトでは、我々が日常生活で無意識に排出している下水を浄化処理する「都市下水処理プロセス」を最初の研究対象として取り上げ、その安定化・高度化に資する技術の提案を目指します。

研究内容はこちら

プロジェクトの研究実施体制

 国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)は、長年にわたり我が国の環境バイオ分野の研究をリードしてきました。現在、環境管理研究部門エネルギー・環境領域)および生物プロセス研究部門生命工学領域)を中心とした研究グループがその流れを受け継ぎ、様々な環境に生息する多種多様な微生物を対象とする研究を多角的に推進しています。産総研が推進する環境微生物データベースプロジェクトには、知識と経験が豊富な研究者が多数参画しています。

メンバーはこちら

確かな解析技術と実績

 これまでに我々は、次世代シークエンサーを活用した16S/18S rRNA遺伝子アンプリコン・メタゲノム・メタトランスクリプトーム(RNA-seq)解析プラットフォーム、高感度安定同位体追跡技術、共焦点顕微鏡ライブイメージング技術等を開発し、環境微生物研究に適用してきました。これらの最先端技術を駆使して環境微生物データベースプロジェクトを推進していきます。

研究成果はこちら